腕を動かすと肩が痛い、慢性的に肩こりで痛みすらよくわからない状態になっている方多くいらっしゃると思います
肩の痛みの原因は多くありますが多くの場合は肩甲骨の可動性の低下によることが多いと考えています
今回は肩甲骨を安定させる前鋸筋について説明していきます
前鋸筋の活動で肩関節の負担を軽減
肩関節について
肩関節は肩甲骨と上腕骨で構成された滑膜性の連結を解剖学的に肩甲上腕関節と呼ばれています
肩関節が動くときには肩甲骨の可動域(肩甲骨と胸郭)間の動き(肩甲胸郭関節の可動性)と肩甲骨と上腕骨(肩甲上腕関節)間の動きで構成されます
肩甲骨の動きが制限されてしまうと肩甲上腕関節のみで可動しなくてはいけない状態になり大きな負担となり痛みが生じやすい状態になります
上腕骨の動きに追従して肩甲骨が動くことで肩甲上腕関節はにかかる負担が軽減されて痛みが生じにくい状態で腕を動かすことができます
つまり肩の痛みの予防には肩甲骨が安定して動くことが大切です
肩甲骨を安定させる前鋸筋の活動が欠かせないわけです
前鋸筋で上半身質量重心を安定させる
前鋸筋は起始部が第1~9肋骨であり停止部が肩甲骨内側縁に付着しています
作用としては肩甲骨を前外方に押し出す前方突出が主な作用です
前鋸筋の活動が低下すると肩甲骨内側が肋骨から浮いた状態(翼状肩甲骨)になり肩甲骨の安定性が失われます
また前鋸筋は外腹斜筋に連結しているため腹腔内圧を形成に重要です
特に重要な役割として前鋸筋は胸郭内にある上半身質量重心(第7~9胸椎)を安定させて上半身に支点を作っています
土台となる支点が安定していることでアームが安定して自由に動くことができます
土台がグラグラだと倒壊して事故になってしまう
身体だと痛みとしてサインを出している
前鋸筋の鍛え方
前回、広背筋の説明をしましたが前鋸筋は広背筋がオーバーラッピングしている部分があるため広背筋の柔軟性と収縮力が低下している状態では、前鋸筋は質量の大きい広背筋に引っ張られるように背部に変位して柔軟性と収縮力が低下していることが多くみられます
いわゆる前鋸筋がしっかりと機能できない状態に陥っていることです
そのため前鋸筋の機能向上を図るためにも背部筋(広背筋&僧帽筋)の柔軟性の処理を先に行うことで効果が高まります
前鋸筋の鍛え方①
- 運動の開始姿勢は、仰向けになって両膝を曲げて両手を天井の方向に上げて手のひらを合わせます
- 合わせて手を目線の先にもっていきます
- 肩がすくまないように注意をして息を吐きながら天井方向に手と肩甲骨を押し出します
- この動作を数回繰り返し行います
前鋸筋鍛え方②
- 軽く足を広げて座ったままもしくは足を広げて立ち四股ふみの姿勢で相撲の突っ張りのように脇の下手を押し出します
- しっかりと脇を締めてと肩甲骨を押し出し行うことがポイントです
おまけ:実は円背の方はかなり多い
前かがみで猫背の姿勢は姿勢が良くないと見えると思いますが、一見姿勢が良く見える反り腰の方は脊柱が圧縮されているため前鋸筋のアライメントは崩れており活動性は乏しく圧力提供が弱いです 支点も安定していません
体幹が伸展しているため、実はすごく円背だということに気づきにくいのでより注意が必要です
おわり
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